今や生活に欠かせないインターネット。マンションによって接続環境も異なるため、インターネット設備の仕組みや光回線導入のフローなどご紹介いたします。
マンションのインターネットの設備は、建設当時の通信技術などによって異なりますが、主に4つの方式(光回線方式、VDSL方式、CATV方式、シェアードLAN方式)があります。ポイントは管理室(MDF室=主配線盤室)から各戸までの回線の方式。ここが光回線であれば、快適度は高まります。通信速度には「上り」と「下り」の二つがあり、メールを送ったりSNSに投稿したりするときは「上り」、動画やWebサイトを見たりするときは「下り」の速度が重要になります。
マンションのインターネットの設備は、宅内に設置されている通信機器や壁のコンセント、ケーブルなどの種類で判断することができます。
インターネットを利用するには、回線事業者とプロバイダーとの契約が必要です。前者はインターネットの回線設備を提供し、後者はインターネットへの接続やメールなどのサービスを提供します。それぞれと単独で契約する方法と、「光コラボ」のようにセットで契約する方法があります。
回線事業者
光ファイバーなどの回線を提供し、インターネットに接続するための物理的な設備を整えます。
具体例
NTT東日本・西日本(回線提供のみ)、KDDI・オプテージ・QTnet・JCOM・つなぐネット・ファイバービット等(回線とプロバイダーをセットで提供)
プロバイダー
回線事業者から提供される回線設備を使って、ユーザーとインターネットをつなぎ、各種のサービスを提供します。
具体例
OCN、BIGLOBE(ビッグローブ)、So-net(ソネット)、@nifty(アットニフティ)、Yahoo!BB(ヤフービービー)、ASAHIネット、NTTメディアサプライなど
光コラボ
NTTの光回線を利用し、各プロバイダー事業者等が光回線とプロバイダーサービスをセットで提供します。
具体例
ソフトバンク光、ドコモ光、Rakuten光、So-net光、@nifty光、BIGLOBE光など
お住まいのマンションの共用部がVDSL方式やCATV方式、シェアードLAN方式だった場合は、新たに光回線方式に置き替えることで大幅な通信速度の改善が見込めます。
現在、各戸で個別に契約されている場合には、マンションの管理組合で一括契約することによって、月々の通信料金が安くなる可能性があります。
管理室の設備が光回線を分岐するための装置のみで済むため、省スペース化が図れると同時に、電気やメタル線(銅線)を使用しないぶん落雷などの影響も受けにくく、通信の安定性も高まります。
通信環境を最新の設備にグレードアップすることで、マンションの資産価値の維持・向上を実現することができます。
光回線方式の導入は、管理組合の理事会が主導で行います。住民アンケート、構造調査、工事内容の確認などを行なった上で、住民への説明、総会を経てようやく実現の運びとなります。そのため、管理組合の理事会によるイニシアチブが大切になります。
静岡県三島市にある築30年弱の小規模マンションでは、管理組合主導のもと各戸までの光回線の導入を実現しました。理事会による事前の住民アンケートでは、全20戸のうち18戸のみなさんが日ごろからインターネットを利用。スマホやパソコンでネット検索やSNSをご利用されていました。光回線を導入し、全戸一括型の契約を行ったことで、
一戸あたりの月額利用料は数千円単位で下がりました。この
「月額料金が安くなる」という点が、導入を実現できた一番のポイントになったようです。
こちらの管理組合の理事は3名で、一年ごとの持ち回り制です。導入の検討段階において、住民の中からは「ネットを使っていないので、一括契約で月額料金がかかるようになっては困る」「現在利用している通信会社の契約を解約すると違約金がかかる」などの反対の声もありました。そうした意見に対しては
「通信環境の改善はマンションの資産価値を高めることになる」「月額料金が大幅に下がるので、解約のためのコストを吸収できる」などの説明を、理事の方々が、丁寧に行われたようです。
導入後は通信速度も安定し、住民の皆さんは快適にインターネットを利用されています。
光回線の導入にあたって気になるポイントを回線事業者のご担当の方にお聞きしました。
*詳細は長谷工コンタクトセンターにお問い合わせください。